「カラオケ好きなんですけど、行く相手がいないんです。付き合ってくれませんか?」
軽い挨拶を交わした後、その女はさっそく用件を切り出してきた。
某アプリで見つけたその女は、顔は晒していなかった。
けれど、やり取りはいたって快活だったし、部分的に確認できた限りでは身体もいい感じだった。
何駅か離れていたけれど、十分ご近所と言っていい距離だったし、さほど会うのに手間はかからなそうだった。
だいぶ溜まっていたからちょうどいい。
この程度の手間なら、もしハズれたってさほどガッカリもしないだろう。
そう思って、アポを取り付けたのだ。
実際にあってみると、ごくごく普通の女の子だった。
かなり若い。雰囲気からすると、どこかのOLか学生かだろう。
どちらかというと少しぽっちゃりしているかなという感じだけれど、気になるほどではない。
むしろ、その分胸は大きかったし、柔らかそうな身体つきはむしろそそった。
顔も、取り立てて美人ではなかったけれど、歳相応のあどけなさがかわいらしい。
それに、なにより素直そうだ。
今後の展開が期待できる。
そう思って、俺はその誘いに乗った。
カラオケか。
しばらく行っていなかったけれど、俺も歌うのは嫌いではない。
あれは、なかなかストレス解消にもいいのだ。
だから、そういう意味でもうってつけだった。
ただ、いざカラオケボックスに入って俺は後悔した。
選曲が、暗すぎる。
それも、一曲や二曲ならいいんだけれど、立て続けにそれが延々と続くのだ。
それをひたすら聞かされる身にもなってほしい。みるみる気分が沈んでいく。苦行だった。
これは確かに知り合いとは行けないわなあ、と俺は納得したものだ。
けれど、機嫌を損ねるわけにもいかない。
俺にとっての第一目的は、あくまでエロい展開に持ち込むことなのだ。
だから、表情をなんとかこわばらせないよう努力しながら、俺は振付つきで歌い続ける彼女を見つめていた。
それでも、さすがに立て続けに歌って疲れたのだろう。
曲の入力が途切れ、よくわからないBGMが流れ始めたところで俺は彼女に声をかけた。
「へえ、はじめて聞いたけど、なかなかいい曲じゃん」
もちろんそんなことは心にも思っていなかったが、彼女は嬉しそうに食いついてきた。
「でしょ!なかなか分かってもらえる人いないから、嬉しいです!」
本人も、自分の趣味のマイナーさは自覚はしているようだった。
だからこそ、喜んでいるんだろう。すっかり笑顔になっている。
それをみて、少しだけ良心がチクリと痛んだ。
ただ、これが話を進めるきっかけになったんだからわからないものだ。
「曲もなんですけど、歌詞がねえ、意外にセクシーなのがぐっとくるんですよ」
「セクシー?」
「あ、すいません、歌詞までは見てませんでした?」
「ああ、悪い。つい聞きいっちゃって、内容まで意識してなかったよ」
「ダメだなあ、歌詞いいんですよ、あ、でも暗喩が多いからなあ」
「暗喩か、確かにそれだとすぐには意識できないかもな」
「あ、そうだ。この曲なんかはわかりやすいですよ」
また似たようなの入れるんかい。
そう思って内心ゲッと思ったのだけれど、この曲がよかった。
曲云々ではなく、歌詞の話だ。
彼女はわかりやすいといったけれど、わかりやすすぎる。
ディスプレイに映し出されるその曲の歌詞は、ちらりとみただけでも露骨なセックス描写の連続だった。
しかもかなり濃厚だ。
それを、かわいらしい声で歌うのだから、それだけでもかなりそそった。
みれば、彼女の額には汗が光っていた。
声にもそれまでの曲以上に感情がこもっている。
よほど好きな曲なんだろう。
それだけ一生懸命歌ったせいだろう、間奏になったとたんに彼女は椅子にドタっと座り込んでしまった。
「大丈夫?相当熱演だったけど」
「大丈夫…ま…まだ最後のサビがありますから…」
「息切れてるじゃん」
「これ歌うと、ついこうなっちゃうんですよね、感情移入しちゃって…」
おいおい。
この歌に感情移入って、それ、相当だぞ。
けれど、エロい話にもっていくにはいい機会だった。
できるだけ冗談めいて聞こえるよう注意しながら、俺は言った。
「えー、本気でこういうのが好きなわけ?」
「うーん…嫌いじゃないですねえ」
みれば、目が少しとろんとしていた。
感情移入してしまうというのも、あながち嘘ではないようだ。
これは、もう行ってしまおう。
そう思った。
確信はなかった。
けれど、どうせ拒絶されたとしてもそれはそれでこのカラオケメドレーから解放されるだけだ。
暗い曲にもううんざりしていた俺は、腹を決めた。
ソフトに、彼女の肩に手を置いた。
「えーっ…なんのつもりなんですか…」
すこし小さな声で彼女が言ったけれど、振り払う様子はまるでない。
そのままさわさわと手を動かしたりしてみたけれど、彼女はじっとして動かない。
思い切って腕に力を入れて身体ごと抱き寄せた。
身体が密着し、柔らかい感触が伝わってくる。
彼女の頭が、カクンと俺にしなだれかかってきた。
「…あー、…なんか、こういうの…」
「嫌い?」
「…嫌い、ではないかな…」
ディスプレイには、もう彼女のいう所の最後のサビの歌詞が映し出されていたけれど、彼女は歌を再開する様子はなかった。
それどころか、マイクを既にテーブルの上に置いてしまっている。
目が閉じられていた。
さらに腕に力を入れると、彼女の胸が俺の身体に押し付けられた。
背中を軽く指で撫でてやると、彼女はうっすらと吐息を漏らした。
とりあえず、遠慮をする必要はなさそうだった。
身体をしばらくさすってやっただけで、彼女は鳥肌を立てながら息を荒げ始めた。
ご無沙汰なのか、かなり敏感な身体だ。
太ももに手を伸ばすと、おどろいたことに彼女の方から脚を少しだけだが開いた。
短いスカートだから、この状態でももう、白いパンティがチラチラと見えている。
派手なタイプではない彼女にはいかにもピッタリなイメージの下着だ。
せっかく足を開いてくれたのだからと、スカートの奥に手を少しずつ伸ばしていく。
太ももの付け根をまさぐるうちに、彼女の脚はさらに大きく開いた。
部屋の暗さでよく見えないが、白い股布の真ん中に染みがうっすらと浮かび上がってきていた。
天井の監視カメラを伺う。やはり、どうやったって映ってしまうだろう。
だが、この流れを止めるのもいまさらだった。
まあ、抱き合ってイチャイチャしている程度だ。
見逃してくれることに期待するしかない。
俺は少しずつ彼女の身体を誘導して、股間が直接映らないと思われる角度まで動いてもらう。
せめてもの気遣いという奴だ。
それから、下着を横にずらし、表面に触れた。
陰毛が指に絡みついてくるのと同時に、しっとりと湿った割れ目の感触があった。
「エッチ…」
小さな声で彼女は言ったが、俺はもう指を止めなかった。
可愛らしいクリトリスをいじると、彼女はビクンと身体を震わせた。
そのまま、指をまずは一本だけ、中に潜り込ませた。
にゅるり、という感触があった後、指が思い切り押し付けられる。
なかなか締まりはよさそうだ。
まだ余力はありそうだったので、2本目。
着実に、反応がよくなってきた。
「はぁんん…」
目を閉じた彼女の声は、本格的に感じている声だった。
指を中で曲げたりしながら、さっきまでよりも激しく出し入れしてやると、愛液の量は格段に増えてきた。
もう、俺の手はびちゃびちゃになっていた。
手マンでこれだけ濡れてくれるなら、本番はさぞかし…
これは適当な所で切り上げて、気が変わらないうちにホテルにしけこまないと。
そう思ったときだった。
「も…もう…これだけじゃ嫌あ…」
悩ましげな声とともに、彼女の方から身体を押し付けてきた。
再び胸が、しかもさっきまで以上に強く体に押し付けられる。
自分の身体がシートの上に倒れていくのを感じながら、俺はふと目線を落とした。
いつの間にかすっかり乱れたシャツの隙間から、密着して押しつぶされた大きな胸と、その谷間がチラリと見えた。
乳房の表面に、はっきりと汗のしずくが浮き出ていた。